ばっ、とみていた本から顔をあげたルキアの特徴的な前髪がそれにあわせて 揺れた。ぴょん!その下で揺れる眼はあんまり大きいもんだから、ばちっと 視線があうとこっちは少しだけあわてるのだ。そして、彼女は一言。 「何か用か?」 いや、と、こたえた。なんでいきなりそんなこと訊くのかとおもったから、 そのまま、なんで?と訊いた。貴様がみてくるから、とけろっとかえされる 。え、誰が、誰を?おもわずそのまま声に出した。 は?今度はそう、一言、呆れたって意味合いたっぷりの声色で、彼女をみて もやっぱり呆れたっていう顔をしていた。彼女の間の抜けた声が落ちたあと の部屋はなんとも静かで、それもそうだ、俺とルキアの2人しかいないのだ から。 「俺、今お前みてた?」 ルキアの大きな眼がさらに大きくなった。びっくりしてます、って眼がいっ てる。でも彼女ほどではないにしても俺もびっくりしてますよ、って顔して るんだ、きっと。俺、みてたかな、こいつのこと。ああ、それにしてもまじ で大きい、眼。 不思議そうな顔のまま、それでもとりあえずルキアは本に視線をもどした。 ぱさ。耳にかるくかかっていた髪が一房頬にかかった。本は週刊誌みたいな ものらしいのだけれど正座してやけに姿勢よく読んでいるところがルキアら しいといえばいいのか。それがなんだかおかしくって、や、おかしいのはい いんだけど持ってる本的にはどうせならもっと楽に読んだ方がよろしいんじ ゃないんですかね。 ばっ。またルキアが本から顔をあげる。 「……」 「……」 …いま、みてたじゃん、俺。 「だから何なのだ、さっきからっ」 まただよ今のはさすがに気づいたよ。でも、何でっていわれても困ることで 。だって全然何も考えてない。気がつくと眼が…め……あ、れ、これって? ……アレか。 「…あ、あー」 「!な、何だ今度はどうした!」 「ん、どうもしない」 どうもしない、なんて。だって、 自覚もないくらいにのめりこんでた、なんて、 (自然に眼がいく、ってやつだろ?)                       おそいよ















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一護とルキアはもう言葉じゃ追いつかない、気づいたら、っていう感じ
だとおもいます。