２.





（せ、先輩テレパス…！）




音楽を聴くこともテレビをみることもご飯を食べることも一人でするこ
とに堪えられなくなってきた、といってもまだ５日目だ。

何だか今回はおかしい。いつもはもうちょっと平気なはずなのに今回は
いつにも増して堪えられない気がする。どうしてだろうかと考えて最後
に行き当たった理由は先輩の出掛けに会えず充電ができなかったから、
だった。
本当にそれのせいなのかは判らないけれどこんなに深刻な事態になって
いるのにまだ、５日目だって。そんなばかな！そうやって何度確認した
か判らないカレンダーに目をやっても５日目ということに変化は勿論な
い。ということは１４−５、で、


（あと、９日、）
（堪えられマセン、よ！）



千秋真一という男を判っているつもりだ。オレ様でプライドエベレスト
級でカズオを地で行く、それが彼だ。ということはやはりこちらからア
クションを起こさなければならない、という、ことも、


（判ってるんですよ、でも、） 



オレ様でプライドエベレスト級でカズオでも自分にだけは偶にでもいい
から例外的なアクションを起こしてほしいと思うのだって仕方がないこ
とでしょう？好きならば。




ベッドの上に静かに転がっている携帯を軽く睨む。 


（鳴れ！） 








――――♪、 


（！鳴っ、た）






「ふおおー！」





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